アルピナコラム

宇宙ステーションでの水

公開日:2012年2月13日

宇宙ステーションで使う水は、地球から運んでいて運べる量にも限界があり、非常に貴重で、まさに命の水です。

そもそも、地球上で人間は1日にどのくらいの水を使っているのでしょうか。

洗濯やお風呂など水を大量に使用するものを計算にいれていくと、地球上の日常生活の中では、一人当たり1日200リットル以上の水を使用しているのです。
東京都水道局の調査によると、平成21年の一人当たりの1日の水の使用量は233リットルとのことです。

さて、それでは国際宇宙ステーションで使用できる水の量はどのくらいなのでしょうか。

1日に1人が使用できる水の量は3.5リットルとなっています。当然、入浴などできません。 こうした事情もあり、とにかく宇宙ステーションでは水を使わないように工夫した生活をしなければいけません。

宇宙飛行士が1日に使用できる水3.5リットルの内、地球から持ち込んできた水は2リットル。
残りの1.5リットルはシャワーやうがいで使用した水やエアコンで除湿した再生水を使用しています。
この再生水は汗や唾液の混じった水をろ過して使用できるレベルにまでしたものです。
しかし、それだけではありません。NASAは宇宙ステーションの水問題を解決すべく、新しい装置を持ち込んで実験を開始しているのです。

それは、尿を飲料水として再生するシステムです。2011年7月に打ち上げられたスペースシャトル・アトランティス号では「Forward Osmosis Bag (FOB)」という尿をろ過して、飲料水を作る装置を持ち込んで実験を行いました。
この装置は、元々はアメリカ軍が汚水を飲料水にするために開発した装備品をベースとしたものです。

この装置の形自体は単純で2重構造になった袋状になっています。
これの内側に糖分を含んだ溶液を入れ、外側に尿を入れます。
こうすると、正浸透によって、内側にろ過された水が出来上がります。
1リットルの飲料水を作るのに4~6時間。
この実験が成功すれば、いずれは尿の再利用も進むことになるでしょう。
今までは尿は検査に使用するもの以外は廃棄していたとのことですが、この装置で飲料水として再利用される日もそう遠くないでしょう。
ちなみに、アトランティス号の実験では尿ではなく用意された実験用の溶液を使用したとのことです。

このように、宇宙ステーションでは持ち込める水の量に限界がある為、徹底的に水の再利用を行わなければいけません。

アルピナウォーターのろ過システム(ROシステム(逆浸透膜))も元はアメリカ航空宇宙局(NASA)で開発されたこのシステムで、0.0001ミクロンという極小サイズのフィルターです。 アルピナウォーターはこのROシステムで何重にも通過して分子レベルまで磨き上げられたお水です。