アルピナコラム-第84回

夏バテ対策には、栄養価の少ない食材が良い!?

2017年08月21日

梅雨入り前から続く暑い日々。食欲がない・体がだるいなど、何ともいえない夏場特有の疲労感に悩まされている方は多いのではないでしょうか。

これらいわゆる“夏バテ”の大きな原因は、寒暖差と水分不足のふたつ。暑い屋外とエアコンの効いた寒い室内の出入りを繰り返すことで自律神経が乱れ、さらにはたくさん汗をかいて血液がドロドロになり体のめぐりが悪くなることで、夏バテは起こるのです。

夏バテの予防や対策といえば、土用の丑の日のうなぎに代表されるように、栄養価の高い食材を食べるといったもの。
この他にも、スパイスの効いたエスニック料理など夏のスタミナ食は色々ありますが、これらと真逆に位置する食材が夏バテに良いことをご存知でしょうか。

その食材は何かといえば、とても身近な夏野菜のキュウリです。
ギネスブックに“世界一栄養のない野菜”として登録されているなど、スタミナ食材とは真反対の代物。ですが、利尿作用が高くほとんどが水分でできているからこそ、血液のドロドロを阻止して夏バテを予防してくれるのです。

そんなキュウリの新しい食し方として話題となっているものが、アメリカの定番ドリンク“キューカンバー・ウォーター”。ここ数年、果物やハーブを水に漬け込んだフレーバーウォーターが人気となっていますが、キューカンバー・ウォーターそのひとつ。
さっぱりしているので、スパイスの効いたカレーなどの食事との相性は抜群。ピッチャーなどにスライスしたキュウリを入れ、そこに冷たいウォーターサーバーの水を入れたらあとは冷蔵庫で一晩置くだけと、レシピもとても簡単です。
若干キュウリの青臭さが気になることもあるため、レモンやライムなどの柑橘類を一緒に漬け込むのもオススメ。見た目も涼しげなので、おもてなしにもピッタリです。

またむくみが気になるこれからの台風シーズンにも、キューカンバー・ウォーターは◎。起き抜けに1杯飲んで、寝ている間に溜まった水分を排出させると、低気圧でむくみがちな体が少し軽くかもしれません。

“夏バテに良い食材”と聞くと、栄養価ばかりに目を奪われがちですが、旬の食べ物を上手に食べることが健康を保つ秘訣だと昔から言われてきました。
ギネスブックに掲載されるほど“栄養がない食材”が、実は夏バテ対策にはぴったりの食材だったというワケです。