アルピナマスターコラム-第73回

アルピナマスターコラム

アルピナマスターコラム

第73回
肌も花も枯れない!化粧品のベース成分グリセリン

2017年02月08日

“手作りコスメ”が一時期ブームとなりましたが、なかでも化粧品のベースとなり薬局で手軽に購入できるグリセリンは、重宝する材料のひとつ。保湿効果があることは知られていますが、実は意外な使い方ができることをご存知でしょうか。

そもそもグリセリンとは、植物の油から抽出される液体で、アルコールの一種。保湿効果がイマイチだと思われる手持ちの化粧水やクリームなどに添加すると、保湿効果を高めることができます。

しかし、だからといって大量に混ぜると全く逆の効果を発揮するのがグリセリン。というのも、グリセリンは周りの水分を吸い寄せる特性があるため、適度な濃度(化粧品の場合は上限10%)であれば、空気中の水分を吸って肌へと届けてくれるのですが、グリセリンの量が多いと、肌の水分を吸い上げてしまうからなのです。

そんなグリセリンは水を引き寄せるだけでなく“甘みがある・細菌の増殖を抑制する”といった効果もあることから、“グリセロール”という名前で食品添加物としても利用されています。
ガムを柔らかくしたり、和菓子をしっとりさせ続けるなど、身の回りの食品に意外と多く含まれているので、原材料のところをチェックしてみても良いかもしれません。

そんな化粧品にも食品にも配合されているグリセリンですが、実は発色の良いドライフラワーづくりにも役立つ優れもの。記念日などにいただいた切り花は、花瓶に飾っておいてもせいぜい1週間の命。日に日にしおれていく姿は何とも悲しいものですが、せっかくの思い出だからこそ、グリセリンを使ってドライフラワーとして残してみてはいかがでしょうか。

一般的なドライフラワーは、切り花を逆さにして干すことで出来上がりますが、出来上がりは独特の霞んだ色合いになります。
けれども「グリセリン:湯」を1:2の割合で混ぜたものを冷ましてそこに花を活けると、発色が保たれたままのドライフラワーに。花が茎からじわじわとグリセリンを吸い上げることで、しっとりとした生花に近いドライフラワーが出来上がるのです。

また、枯れない花としてウェディングブーケの保存方法として人気の“プリザードフラワー”にも、グリセリンが使用されています。
プリザードフラワーはグリセリンを吸わせるだけでなく、一度エタノールで花を脱水・脱色させたあと、グリセリンと着色料で保水・着色。このような手間をかけることで、半永久的に生花の風合いを楽しむことができるのです。

肌は半永久的に潤いを保つということは難しいものですが、手間をかけてお手入れをすることで、応えてくれるもの。エイジング肌の衰えを緩やかにしてくれる、肌にも花にも潤いをもたらすグリセリンは、一家にひとつあると嬉しい常備品かもしれませんね。