アルピナコラム-第63回

水素水にも種類がある

2016年08月22日

水素水ブームが長らく続いていますが、手に取っている商品が“あなたが求めている水素水”かどうか、今一度確認してみてください。
アルカリ水素水・還元水素水など、「○○水素水」と書かれている商品を水素水だと思い購入している方が多いようですが、実はこれらは厳密には水素水ではないのです。 水素水

コンビニやスーパーでも手軽に手に入るなど、身近になりつつある水素水。より水素の溶け込んでいる量(水素溶存量)が多いほど、健康や美容への効果が期待されてはいるものの、残念ながら今のところ「水素水とは?」といった定義はありません。
つまり、定義がないのでほんの少しでも水素が含まれていれば「水素水」として売ることは可能なため、極端な話、超微量ながら水素が含まれている水道水も、現状では水素水なのです。

一昔前に登場したアルカリイオン水(アルカリ電解水)ですが、こちらはアルカリイオン整水器で水を電気分解し、水質をpH9~10程度のアルカリ性へと変えたもの。そしてこのアルカリイオン水が水素水ブームに乗って近年、「還元水素水」や「電解水素水」といった風に名前を変えて登場しているのです。
つまり、還元水素水や電解水素水はアルカリイオン水と同じもの。では、なぜこれらが水素水とうたっているのかといえば、水道水の例と同じく、微量ながらも水素が含まれているからなのです。
また、アルカリイオン整水器は厚生労働省によって医療機器の認証を得ていますが、その効能は、「胃腸の症状改善」のみ。“厚生労働省が認めた還元水素水”と聞くと、あたかも水素水が厚生労働省によって認められているような気がしますが、正しくは、「胃腸の症状改善に効果のある微量の水素を含むアルカリイオン水」なのです。

このように水素水にも様々な種類があるのですが、残念ながら消費者には上手く伝わっていないのが現状ではないでしょうか。
水素水を買い求める方が期待しているのは水素に対する効果なので、早急に水素水の定義を決めることが求められています。

ただし定義はないものの、0.8~1ppm以上の水素溶存量を含むのであれば健康や美容への効果が期待できるといった研究が進められているため、ホンモノを見分けるための目安値は、開封時に1ppmといったところではないでしょうか。
ちなみにアルカリイオン水、つまり還元水素水や電解水素水の水素溶存量を計測した結果があるのですが、こちらは0.1ppm程度と非常に少ないものばかり。
ブームが加熱するなか、名前を変えた「○○水素水」といった商品が出てきていますが、水素の摂取を目的として飲むのであれば、“この水素水には本当に水素が含まれているか?”を、今一度確認したほうが良さそうです。