アルピナコラム

ミネラルウォーターから栄養が摂取できるのか

公開日:2012年4月18日

ミネラルウォーターの中でも硬水と呼ばれる種類の水には多くのミネラルが含まれているといわれます。このミネラルウォーターを飲むことで体に必要なミネラルを十分に摂取することができるのでしょうか?

まず、「ミネラル」と言う言葉はよく聞きますが、そもそも「ミネラル」とは何でしょう。このミネラルとは微量な摂取で体のバランスを整えたり、体の構成素材として活用されるものです。体に必要な栄養素であるタンパク質やビタミン、脂質などは有機化合物ですが、ミネラルはそれ自体元素であることが特徴です。

人体に必要なミネラルとはどのようなものでしょう。現在、栄養素として必要と考えられているミネラルは比較的量の多い、7種類の「主要ミネラル」、そしてごく少量の9種類の「微量ミネラル」といわれています。全部で合計16種類になります。

例えば、カルシウム、リン、鉄などは、体の構成素材として骨や歯などの組織を作る材料になっています。またナトリウム、カリウム、マグネシウム、塩素などは、筋肉収縮、神経伝達など重要な役割をもったものです。

では、このようなミネラルはいわゆるミネラルウォーターから摂取することが出来るのでしょうか?答えは「No」です。例えば、硬水の中に多量にふくまれると言われるカルシウムですが、これをミネラルウォーターだけで摂取しようとしたら、ドラム缶で何本というような非現実的な計算になってしまうのです。

基本的に水だけをミネラルを摂取しようと思えば、相当量の水を飲まなければなりません。

ミネラルウォーターのミネラルは「風味」を楽しむものであり、それによって必要なミネラル分を補給するというものではありません。あくまでもミネラルは食事によって摂取するのが基本となります。そしてどうしても不足するようであれば、サプリメントを併用するなど工夫が必要になります。

また、中にはバナジウムのように糖尿病抑制効果があるという研究データが発表されたものがあります。ただこれにしてもまだ研究段階であり、ミネラルウォーターに風味以上の効果をもたらしているという科学的な裏付けができているわけではありません。

ミネラルウォーターを飲んでいるから、ミネラル分は十分補給できているという間違った考えをお持ちでしたら、その考えを改め、きちんと食事から必要なミネラルを摂取することを心掛けていきましょう。